プラモデル塗装方法について

昔から趣味として広く親しまれてきたプラモデルですが、皆さんは「塗装」をしたことがありますでしょうか。組み立てるのもプラモデルの大きな楽しみですが、「塗装」をするとさらに表現の世界が広がります。ここでは、現在広く用いられている塗装方法について、使用する道具やメリットとデメリットを交えて紹介していきたいと思います。

スプレー塗装

市販されている缶スプレーを使用する方法です。プラモデル用の缶スプレーはメーカーから市販されており、店頭や通販でも入手が容易なので初心者におすすめの方法です。メリットとしては手軽さが挙げられます。色数も豊富なため、塗装したい色のスプレーを用意し、吹き付けるだけで手軽に塗装を楽しむことができます。

また、常に一定の空気圧で塗装が噴射されるので広い面積も塗りやすく、例えば大きいスケールのキットを塗装する際にもムラが出にくく均一に色を乗せることが可能です。用意するものもスプレーだけでよいので、塗装前の準備や後片付けが簡単という点も大きなポイントです。

デメリットとしては色を混ぜることができないため、自分のイメージする色がラインナップにない場合はその色での塗装が出来ないという点があげられます。また、吹き付けの際の幅がやや大きめなため、細かいグラデーションをかけるようなことは難しいです。

その手軽さから初心者向けと考えられがちですが、簡単に均一な塗装が行えるという点から幅広い方に長く愛用されている技法です。

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筆塗り

市販されている塗料を筆で塗る方法です。現在は国内外から様々なメーカーが塗料を発売しており、初めて塗装をするという初心者の方からプロまで幅広く用いられている技法です。メリットはなんといっても塗料の種類の豊富さです。

塗料はラッカー・アクリル・エナメルと性質によって3種類に分類できますが、国内外から各種類豊富な色が発売されており、自分の作っているキットにぴったり合う塗料が見つかるはずです。スプレーと違い、筆塗りは塗料を混ぜることも可能なのが大きな魅力であり、繊細な色の違いに拘りたいベテランの方にもおすすめの技法です。

また、塗装に用いられる筆の種類も多く、数ミリ単位の小さな箇所の塗装がしやすいという点から、大まかな色をスプレーや後述するエアブラシで塗ったあとに筆塗りで細部を塗り分けて仕上げとする方も多いです。デメリットとしては、綺麗に仕上げるにはコツが必要なことです。

塗装の際には市販の塗料を専用の薄め液で薄めつつ筆でキットに塗っていくのですが、塗料が濃すぎると筆ムラが出やすく、逆に薄すぎると塗料がキットに乗りません。したがって、大きな面積を均一に仕上げるためには不向きな技法とも言えます。

また、塗料によっては海外製品の為専門店や通販でしか入手が出来なかったりと、供給が安定しないものもあります。慣れるには少し時間がかかるかもしれませんが、表現の幅を広げるためにも是非身に付けておきたい塗装法です。

上ではデメリットとして上げた筆ムラですが、それを悪いものとせずに逆に温かみのあるものと捉える方もおり、プロでも塗り始めから仕上げまで筆塗りのみという方も多数見受けられる奥深い技法です。


エアブラシ

市販のエアブラシを用いて塗装する方法です。可能な表現が多く、ワンランク上の表現を楽しみたいならば是非習得を一考する価値のある技法です。エアブラシはエアブラシ用に薄めた塗料を吹き付ける構造なのですが、その際に吹き付ける色を自分で調色できること、そして吹き付けの幅を自分で調整できることが最大のメリットといえます。

筆塗りの要領で自分が塗りたい色を細かく調色し、それを均一な幅で吹きつけることができるというのは自分だけの仕上がりを目指す方にとっては何よりの魅力ではないでしょうか。また、塗料の吹き幅も0.2mmや0.3mmといった細吹きが可能であり、吹き足をぼかした迷彩塗装や複数色を用いたグラデーション塗装など、繊細な表現が可能です。

デメリットとしては、やはり道具が高価だという点です。エアブラシは吹き付けに必要なエアブラシ、それに空気を送るコンプレッサーが必要となるのですが、両方を揃えると数万円単位となるため十分な検討をする必要があるでしょう。

塗装後のメンテナンスにも気を遣う必要があり、しっかりと内部の清掃を行わないと吹き始めに前回吹いた色が出てきてしまったり、最悪エアブラシそのものが壊れてしまう危険性もあります。

また、コンプレッサーは作業中に振動音がするため、夜中の作業やご家族がいる方は作業を慎重に行う必要があります。模型用工具としては高価なものとして分類されるエアブラシですが、可能な表現は非常に多く、一度その塗装方を体験してみれば病みつきになる方は非常に多いです。

しっかりと手入れをすれば長く使用することのできる工具であり、現在は作動音も静かなものや入門用の安価なセットもあるので、敷居を高く感じずに思い切って挑戦してみるのもいいと思います。

マーカー

市販の塗装用マーカーを用いる方法です。方法は市販の塗装用マーカーのキャップを開けて塗るだけなので非常に簡単です。上記したような道具を揃えて本格的な塗装に入る前に一度一部分だけを塗装してみたいという方にピッタリな技法です。

また、マーカーはそのままの状態で塗装できる濃度になっているので、塗料を小皿などに出して筆にとればその色のまま筆で塗装することも可能なことから、ベテランやプロの方でもマーカーを愛用している方は多いです。

塗装の注意点

最後に塗装の注意点をお伝えいたします。模型の塗料には身体に有害なシンナーをはじめとする有機化合物が含まれていることが多く、塗装の際はマスクの着用をお勧めいたします。風邪予防などの簡易マスクでも防塵効果は得られますが、工業用のマスクなどを用いることで身体的な負担は格段に軽減できます。

価格も数千円程度で入手できるので、是非塗装用具と一緒に揃えたいところです。また、塗装を屋内で行う場合には換気扇の設置や塗装ブースなどを用いて生活スペースに有機溶剤を含んだ空気を滞留させないような工夫も必要になってきます。

模型を長く楽しむためにも、塗装は道具だけではなくこうした塗装環境までを一体として考えることが大切です。